祝!「スター・ウォーズ日本公開30周年記念」JRS特別企画



Panasonic いつも Something New

紙物を収集してます.紙物から想像される立体物の虜になって,その暗黒面から 抜け出せなくなってしまいました(笑) 和物資料は広告が約600枚,書籍が約1400冊, 海外資料を合わせると2500種所有してます.その中から今回は「日本公開30周年記念」 企画ということで,日本のStar Wars (SW)史に刻まれたルーカス・キャンペーン物を御紹介したいと 思います!


1987年という年

徐々に雑誌などからSWの話題が消えて行き,最後はホラーに偏ってたけど頑張ってたスターログも2月号で 廃刊,大学3年の時でした.また楽しみが一つ減った!


そんな中,SWの話題が復活します.そう,全米公開から10周年となる1987年, ロスのホテルで行われたコンベンションの記事でした.「そうか,もう 10年になるんだな〜」 でも,海の向こうでの話です・・・ それから1987年1月にアメリカのディズニーランドに完成したスターツアーズの話題.「アメリカはいいよなぁ〜」


ところが!実は日本のSW史に残る歴史的キャンペーンの企画が,水面下で着々と 進んでいたのです.第1報の知らせは,映画雑誌「ロードショー」と 「スクリーン」でした.「むむ!これは何か凄いことになりそうだ!」  そして大学3年の冬,体験入社した企業の社員食堂のTVで,人生2期目となる SWイクスポージャーを受けてしまいました.(CFmovie: 30sec)

「SWの新作!?」という声が食堂を飛び交う中,既に情報を得て余裕であるはずの私 の箸が,興奮で折れる寸前であったことは内緒です(笑) 皆さん,何度も見て下さい. そして1987年を想像して下さい.突然のSW,懐かしいスター・ウォーズだったのです!しかも☆

人前には出なかったルーカス,CMはやらないと言ってたルーカス
俳優ルーカス,日本語をしゃべるルーカス
そして,カンパニー・キャラクターとなったジョージ・ルーカス

能書きは後ほどたっぷりします.まずは,日本に突如飛来したルーカス広告流星群 をじっくりと堪能して下さい.TVコマーシャルの画像からどうぞ.


TVコマーシャル
1987年9月中旬〜


アメリカには内緒で作りました.アメリカのメディアには流れませんでした. 日本だけのSW,日本の為のルーカス演出です.引き続きポスター群です.


ポスター
1987年9月中旬〜



7枚セットに加え梅田駅イベントでは指先ビークルも登場.その後,ジャバ が確認され,ヴェイダーの正面バージョンやルーカス・セーバーのバリエーションなど次々と確認されました.

さて,どうでしたか.朝起きて新聞を見てもTVをつけてもルーカスが現れます. 街に出ても駅に行ってもSWキャラが見つめます.電気屋を通っても本屋で雑誌 を見ても中に彼らが潜んでます.想像できますか?そんな時期があったんですよ.次はメイキングとイベントの紹介です.


キャンペーンのコンセプト

<週刊プレイボーイ広告より>
ジョージ・ルーカス.「スター・ウォーズ」を監督,製作した男.空想力と先進の エレクトロニクスを駆使して,愛とロマンにあふれた映像世界を創造する偉大なる 天才.人はそんな彼を,映像の魔術師であるという.また,古き良き時代の心を もって,未来に住む男であるという.松下電器はいま「ヒューマン・エレクトロ ニクス」を合言葉に,ルーカスと手を結び合った.より感動的なAVC(オーディオ& ビジュアル&コンピュータ)の世界.壮大な映像と音の宇宙に負けない商品開発を めざして. 「いつも Something New」 これからの新しい松下電器にご期待下さい.

なぜ松下電器はスター・ウォーズだったのか

 ◆ナショナル=親達のブランドという市場調査結果
 ◆ヤングに対して強烈なインパクトを与える「広告戦略」
 ◆ヤングにフィットするキャラクターの探索

なぜルーカスは松下電器だったのか

 ◆SW誕生10周年記念としてイベントを探索
 ◆松下の「Human Electronics」とルーカスの「Human Technology」が一致


メイキングオブ・ルーカス・キャンペーン
1987年3月〜9月

撮影開始

撮影当日の午前11時に契約成立.スタンバイしてたスタッフは焦りまくりのスタートだった みたいです.左絵は撮影前の打ち合わせ風景:ルーカス,キャップ,電通大阪のスタッフ. クレーンに乗ったルーカスに合わせてライトが自由自在に動くシステムを導入.ILMの技術 が結集されてCMが次々と作られて行きました.ルーカス監督,普段着でCF出演してるし(笑)



グラフィック戦略

新聞・雑誌・ポスターが一体化した大型企画がなされました.キャラを目立たせる為 に肖像の写真とし,映画とは違うイメージが出来上がりました.ルーカス側はC-3POの昆虫網には反対.でも結局は採用.大事にしてるヨーダの出演にも難色を示しましたがポスター のみOKが出ました.この広告のためにわざわざ作り直されたそうです.こちらは衣装係が入念にチェック.



CF(Commercial Film)戦略

松下側が日本で絵コンテを作成.無理だと思われた映像を次々に特撮で作り出しました. 卵の発光,ロボットのコマ撮り,などなど.最初は出すはずではなかったスペースシップを 「飛ばしてみたらいいんじゃない?」とルーカスが提案し,あのオープニングが出来たとか. 集合写真は素晴らしい広告を作り上げたスタッフの面々.CFとは言え,日本の為にありがとうございました!




G・ルーカス来日
1987年9月19日〜20日


キャンペーンの記者会見を行いました.積極的です! 左のスーツの方は松下電器産業の取締役宣伝事業部長さん.日本企業とルーカスとのタイアップを公的に示した歴史的瞬間でした.この年「各事業部の広告費予算を合体させて使っただけ」(宣伝事業部・部長談)とは言っておりましたが,統計によると87年広告費7位だった松下は88年は2位に浮上しています.



大阪梅田駅ポスターイベント
1987年12月2日〜7日


銀座三越に出された巨大ビルボードを見てルーカスがビックリしたそうですが, 12月には松下本社がある大阪でポスター・イベントが行われています. これは8種類の巨大ポスターを駅構内に48枚連貼するというもの.構内には この為だけのコーナーも設けられて話題となりました.もし,ジャバの 巨大ポスターが多数貼られてたら,ちょっと怖いかもね(笑)



巨匠らが描いたStar Wars版画
1988年1月7日

お正月気分が冷めやまぬ1月7日,ビックリ仰天の新聞広告が掲載されました. ムービー片手にルーカスが龍にまたがり,葛飾北斎風・浮世絵の荒波をキャラクター と共に滑降するという和風の広告です.原画は「伊藤方也」画伯 によるもの.そう,サントリー墨絵シリーズで有名な方です.その原画を,高度な技術者集団 「アダチ版画研究所」が版画にしてしまいました. この広告はStar Wars Vault(2007)の付録にもなってます.

【アダチ版画研究所】1985年ボストン美術館で江戸時代に制作された葛飾北斎の版木 が大量に発見され,その復刻版を制作し世界的に有名になる.


National系SHOP全国統一マンスリーイベント
1988年3月


「フレッシュフェア」が行われました.スローガンは 「入進学・就職・シングルライフ需要の獲得を!」です.事前活動 (商圏内にチラシ配布&ヤングにライフカタログ配布)を徹底し, 店頭は「いつも Something New」を予感させる春の顔にフレッシュアップ して下さい!という命令が下りました(笑) 販売店にはノボリ, タペストリー,ベイダーなどのポップが配布された様です.



ソウルオリンピック前
1988年

Panasonicのコマーシャル攻撃は続きます.「ハイビジョンは現代の絵巻だ」は 浮世絵広告と同じ和風コンセプト.実はSWと和風ってよく合うと思いませんか? 特にヴェーダーとか(笑) 夏には「ソウルオリンピック」が開催(9/17〜10/2)されました. もう,何でも便乗です!

白黒のヤツ(実際はカラー)はあまり知られてないですが,衛星放送受信システム「星空の パラボラ」のCFとなります.最初の2つのCFはYoutubeで閲覧可能です.




Panasonic SFX 1988
1988年7月23日〜8月1日


PanasonicとSFX,そのまんまのイベントが開催されました.主催は読売テレビ で開局30年を祝うとなっています.後援で大阪府教育委員会がついてますね. 松下電器のお膝元,大阪での開催です.「大阪城ホールが宇宙船に変身する10日間」  そしてチラシ裏には浮遊するルーカスとヨーダが!


この時に登場したキャラクターです.ある雑誌に「松下電器とルーカスが新しい キャラクターを製作中」という情報があったので,これなのか?と心配しました(笑)  当時のニュース記事を載せときますね.R2-D2やヨーダ師匠も頑張っています!



スパーキー登場!
1988年秋〜

あなたは誰ですか?「ボクの名前はスパーキー(Sparky).ルーカスと一緒に未知の ものを作り出す”天才学生ロボット”です.」性格は?「明るく外交的でおっちょこちょい. そして女の子が大好き!得意科目は数学です.」が登場しました.身長1m,体重60Kg,乙女座のO型(笑)


松下電器の広告戦略はそれなりに大成功したと思いますが,どうしてもSWのイメージが 前面に出てしまいます.しかもルーカスとの契約が切れた後は?今のうちに後継者を作って おこうと考えたのでしょうかねぇ.この天才ロボットは松下電器の依頼により,ラルフ・ マクォーリ画伯がデザイン.ILMが総力をあげて製作しました.

ペントハウスでルーカスが本を開く.ページをめくると花の絵が.その花ビラが突然 トンボとなって飛び出します.不可能を可能にするルーカスらしいメルヘンなCFでした.

撮影はILM社.ゴーモーションという方法で撮影されました.つまりコマ撮りのSFXです.右がそのカメラ. これで躍動感溢れる映像が生まれるのですからビックリですよね.

もちろん,グラフィック戦略も行われました.左は車内吊り広告.痛そうです(笑). それからスパーキーを解説するカタログも作られました.これらはクランクと いうデザイン事務所が担当.




デカ!Panasonicビデオテープのグレード表示マークを送ると抽選で3000名に 当たりました.色はピンクとブラック.怖くてこれで起きたことはないです(笑) こちらのチラシでは「身長101cm,体重63Kg」と雑誌情報とは異なりますね. 成長したのかな?



スパーキーってすぐに居なくなりましたよね?宇宙に帰ったのですか? いえいえ隠れてました.マイクロソフトと日本のアスキーによって提唱された 家庭用コンピュータMSXというのがあったのですが,MSXの広告から姿を消した後も ソフトのオープニングで頑張っていましたよ!すみません.大きい画像が ないんです.我慢してね.



東京ディズニーランド(TDL)5周年 & StarTours
1988年〜1989年


当時,松下電器は 「ミート・ザ・ワールド」という日本の歴史を紹介する回転劇場型アトラクションのスポンサーでした. 5周年記念仕様のガイドを見るとNationalがしっかり広告を出していますが,よ〜く見て下さい! イウォークが2体!そしてPanasonicブランドでの広告ではルーカスの横顔!!



実はこれらのカット,このTDLのガイドでしか見ることは出来ません. 特別に撮影されたのかな?スターツアーズ(ST)がオープンしたのが翌年1989年7月12日 ですから,「ディズニー」「ルーカス」「ST前のPanasonic」と3役揃った貴重な資料となります. STのオープニングセレモニーにはルーカスも出席.そして当然STのスポンサーは 松下電器産業.誰も疑わない.うまく行き過ぎというか崇高な計算というか...


そのOPENを祝うイベント「スペース・ファンタジー」も開催(10/1〜11/23)されました. 宇宙服ミッキーと凸凹コンビ.途中チューイとイウォークも登場!



キャンペーン受賞データ

1989年にはルーカスがILM地元のサンラファエルの町を散歩するCFまで登場. そして,広告大賞やCM賞を総なめにし,キャンペーンはピークを迎えました・・・

 第4回読者が選ぶ読売広告大賞
  「金賞」 ルーカス・セーバー,ジャバ,ヴェイダー

 第35回朝日広告賞
  「準朝日広告賞」 ポスター7点シリーズ

 第17回フジサンケイグループ広告大賞
  「新聞広告話題賞」 ルーカス・セーバー

 1988年度TCC賞
  「F部門(家庭電器・AV機器)」 ポスター

 '88全日本CMフェスティバル
 「精密機器類・秀作賞」 星空のパラボラ
 「各種団体・公共・企業PR類・ACC賞」 ルーカスの仲間たち

 第18回フジサンケイグループ広告大賞
  「メディアミックス広告大賞」 ルーカスの仲間たち



非売品はツライとです

食堂の社員よりちょこっとだけSWのことを知っている・・・この 感覚に味をしめた私は,もっとSWのことを知りたくなる訳です.私の原点だったのかも.だから紙物と言ってもポスターや 写真やカードではダメで,チラシや広告や雑誌でなければならなかったのです. このPanasonic物は非売品です.雑誌情報も中身を知らな ければ購入が出来ません.困難を極めました.


電気屋カタログ







ウラ広告





雑誌とじ込み広告






チラシやカタログの中にも





使わないテレカと使えない時計





Panasonicが見える小さな書斎




2008年セレブレーション・ジャパン(CJ)

平面物からの解説でしたが,皆さんの頭の中でに乗った 立体的なルーカス・ホログラムが形成されてたら本望です.さて,今年は日本公開30周年の年,ルーカスはCJを祝福してくれました.当時日本の為にCFに登場したルーカス.今回の日本公認は当時を彷彿させますよね.

【お詫び】記事引用元の情報を削除いたしました.これは紹介した紙物を今も探してる私の仲間が 不利益とならない為の紳士的処置です.コレクションの特質上,お許し下さいませ(^^)